ミニチュアダックスフンドの被毛といえばレッドやブラックタン、イエローなどが人気ですよね?
実はダップルという珍しい色もあります。
ダップルは白やシルバーがまだら模様に入っている珍しい被毛が特徴です。
しかしダップルは繁殖が非常に難しく、無事生まれてきてもまれに目や耳に疾患があります。
だからダップルを繁殖させるブリーダーは限られていて、ダップルの数自体少ないようです。
今回は珍しいダップルの被毛や目の色、ダップルの模様ができる理由、ダップルの健康問題について解説します。
ミニチュアダックスフンドの珍しい色?ダップルの被毛や目の特徴
ダップルは白の被毛がまだらに入った模様が特徴です。
またダップルは青い目を持つこともあります。
ミニチュアダックスフンドのダップルの被毛の特徴と種類、特徴的な目をご紹介します。
ミニチュアダックスフンドの珍しい色!ダップルの被毛の特徴
ダップルは白やシルバーがまばらに入った大理石のような模様が特徴です。
加齢によって被毛が白くなることはあっても、生まれつき白色やシルバーの色を持つのはダップルだけです。
そもそもダップルは英語で「ぶち」や「まだら」という意味です。
他の被毛はレッドやイエローなどの単色か、ブラックタンやチョコタンのようにバイカラーで白の被毛が混ざることは滅多にありません。
ダップルの種類3種
ミニチュアダックスフンドのダップルといえばシルバーダップルがよく挙げられますが、ダップルには3種あります。
・シルバーダップル(シルバー・ブラック・茶)
・イエローダップル(イエロー・チョコ・白)
・チョコダップル(チョコ・レッド・白)
このようにベースの被毛の色によって呼び方が変わります。
これら3種類いずれも、白やシルバーなどの色が混ざり込んでいます。
ダップルの特徴的な青い目
青い目もダップルの特徴です。
片目だけが青ければオッドアイ、両目とも青ければブルーアイと呼ばれます。
目が青く見える理由は、目のメラニン色素が少ないからです。
被毛の色を白に変える遺伝子が目にも同様に作用し、被毛と同様に色が薄くなります。
ただし青い目は生まれつき視神経などが未発達な場合があり、弱視や全く見えない可能性もあります。
ダップルの被毛が白いまだら模様になる理由
ミニチュアダックスフンドのダップルに出るまだら模様は、突然変異などではなく決定的な原因があります。
また、まだら模様になる性質を持つミニチュアダックスフンドの交配には注意点もあります。
ダップルは誤った交配方法では健康ではない犬を生みだす可能性があるので知識が必要です。
まだら模様になる理由とダップルの交配についてお伝えしていきます。
まだら模様はメラニン細胞が原因
被毛の色の決定には、マール遺伝子が関与するメラニン細胞が重要な役割を持ちます。
マール遺伝子を持っていると生まれつきメラニン細胞が少なくなる傾向にあります。
そのためメラニン細胞がある場所とない場所ができてしまいます。
メラニン細胞がある場所ではメラニン細胞とアミノ酸が合成することで被毛の色が決定し、茶や黒といった被毛の色になります。
逆にメラニン細胞がない場所では色は付かず白くなり、結果的にまだら模様になります。
プロでも困難?ダップルの交配
ダップルの交配の仕方をお伝えするなら、ダップルとダップルでないミニチュアダックスフンドを交配させればいいと言えますが、実際そう簡単ではありません。
プロのブリーダーが正しく管理して交配させても、ダップルの子犬は生まれつき目や耳、内蔵に疾患を持つ犬が産まれてくることがあります。
ブリーディング経験者でも希望通りの色になる確率は低く、100%健康なダップルが産まれてくる保証がないのでダップルの交配は難しいと言われています。
だから初心者がダップルの交配に簡単に手を出してはいけません。
さらにダップル同士の交配は禁忌です。
なぜなら色素をなくす遺伝子は優性遺伝子で、ダップル同士の犬から生まれた犬は色素をなくす遺伝子が強すぎて、健康を保てる保証がないからです。
最悪の場合死産もあります。
そのためダップル同士の交配は禁忌と言われています。
ダップルに出る可能性のある健康問題は?
ダップルは目や耳、脳、心臓などの内臓に障害を持つ可能性があり、何かしらの疾患を抱えることが多いようです。
理由はやはりマール遺伝子を持つことにより、体内のメラニン細胞が少ないからです。
特にダップルに多い疾患として、目や耳の疾患に焦点を当ててご説明します。
難聴
ダップルは生まれつき耳の発達が不十分なため耳が聞こえない可能性があります。
メラニン細胞は耳では内耳の形成に関わります。
ダップルはもともとメラニン細胞が少ないので、耳に十分なメラニン細胞が集まらないと耳の形成が上手く進みません。
そのため難聴になる場合があるのです。
盲目
高確率で先天的に盲目である可能性があります。
視力に大変重要な役割を持つ網膜やぶどう膜には、通常ならメラニン色素が大量に含まれます。
しかしメラニン色素が少ないダップルは、網膜の形成がうまくいかずに盲目のまま産まれてくる場合があります。
小眼球症
生まれつき目が正常に作られない小眼球症として誕生するダップルも多いです。
必要なメラニン色素がごく少量しか目に集まらないと、角膜、水晶体、網膜など目の形成が行われません。
そのため視力を持たない、小さな目が出来上がってしまいます。
ミニチュアダックスフンドに珍しい色がある?ダップルの被毛を解説!【まとめ】
ミニチュアダックスフンドの珍しいダップルという色をご紹介しました。
ダップルという種類は白やグレーがまだらに入った綺麗な被毛で、一部のファンに大変人気で高値で取り引きされています。
まだら模様になる理由はマール遺伝子という、メラニン細胞を生まれつき少なく持つ性質です。
しかしマール遺伝子の性質が原因で、目や耳に疾患を持つ個体が多いようです。
ダップルは交配の方法を誤ると健康ではない犬が生まれ、死産で生まれてくる場合もあります。
被毛の綺麗な犬には惹かれてしまう気持ちも分かりますが、やはり健康に生まれてくることが1番重要です。
ミニチュアダックスフンドのダップルを家族にと考える際には、生まれてくる背景をしっかり理解した上でお迎えしてくださいね。