日本でも食害などの被害でとりあげられる「ハクビシン」。
甘党&何でも食べる雑食性ですが、逆に「固いものイヤ」「甘くないものイヤ」など、なかなかこだわりがあるようです。
そして食物だけでなく、ワシやタカ、犬や猫、アライグマなどの苦手な動物、天敵は日本にもたくさんいました!
ただし子犬や子猫、小さい子たちは要注意!
今回は、そんなハクビシンは何を食べるのか、好物や嫌いな物をご紹介していきます。
ハクビシンの特徴や特性、天敵や弱点などもまとめてみました。
苦手な音もあるって知ってましたか?
これで明日からのハクビシン対策はバッチリ!
ハクビシンとはどんな動物?
ハクビシンは中国大陸の南部を中心に、日本を含むアジア圏に広く棲息するジャコウネコの仲間で、身体は灰褐色ですが、額から鼻先にかけて見られる白い筋模様が特徴です。
成獣になると、大きさは全長(鼻先から尾の先まで)1メートルを超える、比較的大型の動物です。
樹上性のため鋭い爪を持ち、手先は器用で、木だけでなく人家の雨どいや柱なども登ることができます。
また、細い穴も器用にくぐり抜けることができるため、軒下や天井裏に潜んでいることもあります。
縄張り意識が薄く、複数の家族が集まって10~20頭ほどの群れを作ることもあります。
明確な繁殖期はありませんが、年に1回、夏から秋にかけて出産する傾向があります。
妊娠期間は約2ヶ月で、1回に2~3頭出産します。
寿命は、野生のハクビシンで約10年といわれていますが、許可を得て飼育されているものは約15~20年、長いもので24年生きたという記録も残っています。
ハクビシンは何を食べるの?
そんなハクビシンは長年にわたり、田畑を荒らすなどの被害が日本全国で報告されています。
木登りが得意なハクビシンはその特性からモモ、ブドウ、バナナ、ミカン、イチジク、マンゴーなど、木に生える果物を食べることでよく知られています。
甘くて柔らかいものが好物であることは間違いなく、糖度が高い品種のトウモロコシやトマト、サツマイモなどの野菜も被害に遭いやすいようです。
しかも、1個まるまる食べてしまうのではなく、少しずつ何個もかじっていくやっかいなタイプなので、自ずと被害が大きくなってしまうのですね。
対して固いリンゴや熟していない柿などはあまり好みではないようです。
果物や野菜以外にも昆虫、小鳥やその卵、小動物、果てはペットフードまで、何でも食べてしまいます。
もちろん人間が食べるものも大好き。
そのため、田畑だけでなく人家のゴミや家庭菜園などを荒らす被害も深刻になっています。
ハクビシンの天敵や嫌いな物は?
自然界におけるハクビシンの天敵は、ワシやタカ、ハヤブサ、フクロウなどの猛禽類が挙げられます。
これらが、1メートルを超えるおとなのハクビシンを襲う事は滅多にないでしょうが、小さくて抵抗力の弱い子どもが餌食に遭う事は多いようです。
また日本にはいませんが、おとなも子どもも関係なくハクビシンを捕食するオオカミも天敵といえるでしょう。
ハクビシンと同じ外来種であるアライグマも天敵のひとつです。
アライグマは好物や棲息場所、身体の大きさなどハクビシンと似ている点が多くありますが、気性が荒く攻撃性の高いアライグマは縄張り意識も非常に強く、比較的おとなしく縄張り意識の薄いハクビシンは到底勝てない相手という事になります。
また、犬や猫もハクビシンにとっては脅威の存在となります。
ただし、ハクビシンより小さい子犬や子猫、小型の成犬などは襲われてしまう可能性が高いため、注意が必要です。
以上の事から、ハクビシンは天敵とする動物のにおいを嫌います。
市販の忌避剤(害獣を寄せ付けないようにする薬剤)では、オオカミの尿を原料としたものもあります。
鼻の利くハクビシンは、刺激の強いにおいも苦手で、ニンニク、唐辛子、灯油、木酢液などが挙げられます。
これらはホームセンターなどで簡単に手に入るので、忌避剤としての効果を期待できるのではないでしょうか。
においと共に苦手な味として、ミントやトウガラシがあります。
これらはハクビシンが全く手を出さないので、荒らされたくない場所で栽培すると良いでしょう。
他にも、ハクビシンは騒音を嫌います。
モーターや発砲などの大音量から家庭の掃除機、ブザーなどの機械音も苦手です。
当然ながらオオカミの威嚇や遠吠えなどの声もハクビシン的にNGでしょう。
また、夜行性のハクビシンは強い光が苦手です。
センサー付きライトなどはハクビシン避けに効果があるかも知れませんが、パターンを覚えてしまうと警戒しなくなるので注意しましょう。
ハクビシンは何を食べるの?好物と嫌いな物は?天敵や弱点はある?【まとめ】
甘党で雑食性の、ハクビシンの苦手なあれこれ。
調べてみると、意外とたくさんありました。
固くて甘くないものだけでなく、においや音にも苦手なものがあったんですね。
現在、ハクビシンによる被害でお困りの方々は、これらの苦手なものを有効活用してみてはいかがでしょうか。
ちなみに自然界で猛禽類が苦手と書きましたが、街中で人間を攻撃することもあるカラスは、ハクビシンにとってはまったく脅威ではないようなので、近所のカラスたちに期待するのはやめておきましょう。