ペットを飼育する上でまず心配なのは、餌を食べてくれるかどうかということではないでしょうか?
私もこれまでに数種類の爬虫類を飼育してきましたが、毎回最初の心配はそれです。
問題なく食べてくれると本当にほっとします。
ですが飲み込んだはずの餌を吐き戻してしまっていたら?
おそらく誰もが驚き、心配になるでしょう。
なぜコーンスネークは食べたはずの餌を吐き戻してしまうことがあるのでしょうか?
その原因と対処法、そうならないための対策もご紹介します!
そもそもコーンスネークの吐き戻しってどんなもの?
吐き戻しと聞いてピンとこない方は少ないと思いますが、少し説明させていただきます。
字の通り、一度口や胃の中に入れたものを吐いて戻す行為のことです。
一部の動物などには、これを意図的に行い餌として子供に与えたりする場合があります。
コーンスネークの吐き戻しは人間と同じように、体調の悪化によるものや、口に入れたものへの拒否反応で起こります。
コーンスネークの場合、餌を口に入れすぐに吐き戻してしまうことよりも、数時間後に吐き戻してしまうことの方が多いです。
吐き戻しの原因や吐き戻すまでの時間によって、吐き戻された餌の状態も異なります。
吐き戻すまでの時間が短い場合は、あまり消化が進んでいないためほぼ食べたままの姿で出てきますが、何時間か経った後に吐き戻された場合は、原形をとどめていないような状態で出てきます。
私も一度だけコーンスネークの吐き戻しを見たことがあるのですが、半分くらい消化されたマウスが出てきましたので、なかなかにグロテスクでした。
何にせよ吐き戻しは、コーンスネークにとって良くないことであるのは確かですね。
コーンスネークの吐き戻しの原因は?
上でも書いたように、コーンスネークにとって吐き戻しは決して良いことではありません。
ではその原因はどんなものがあるのでしょうか?
5つご紹介します。
①ケージ内の温度
ケージ内の温度が適正でないと消化不良を起こしてしまい、吐き戻しに繋がります。
コーンスネークは自分で体温調節ができないので、ケージ内の温度=体温となるため、消化に適した温度でないと消化酵素が正常に働きません。
この場合、餌を体内に入れて消化を試みた結果、断念し吐き戻すことになるため、餌を入れてから出すまでの時間は長めとなります。
②餌の解凍不足
冷凍マウスなどを餌にしている場合、解凍不足による吐き戻しの可能性があります。
一見解凍されているように見える餌も、実は中まで熱が通っておらず凍ったまま、もしくは芯が冷え切っている可能性があります。
中までしっかり温まっていないと消化活動がストップしてしまい、吐き戻してしまうことに繋がります。
また餌の解凍不足は下痢の原因にもなります。
③餌の大きさ、量
餌の大きさや量が適切でないと消化しきれず吐き戻してしまう場合があります。
野生下で餌を確保するのは簡単なことではありません。
できる限り生きるための栄養を蓄えておきたいのが動物の本能ですので、一度の食事で食べられるだけ食べておこうとします。
餌の大きさや量は、飼い主がしっかり管理してあげてください。
④ストレス
ストレスにより吐き戻してしまう場合もあります。
ベビーや神経質な個体に見られる原因です。
人の気配を感じる、他の動物の気配を感じる、隠れるところがないなどの理由でストレスを感じてしまい消化不良に陥るケースもあります。
また、餌を食べた後のハンドリングによるストレスから吐き戻してしまう場合などもありますので、餌を与えたらしばらくはそっとしておいてあげましょう。
⑤病気
消化器系の病気や感染症などによる体調不良から吐き戻してしまうこともあります。
基本的には丈夫とされているコーンスネークですが、何かしらの原因で病気になってしまったり、先天性の疾患がある個体なども存在します。
餌が胃まで届かない、消化機能が正常に働かないというような病気もあります。
コーンスネークの吐き戻しの対策は?
ではどうしたら吐き戻しを対策できるのでしょうか?
こちらは4つご紹介します。
①温度管理
普段からケージ内の温度には気を配りましょう。
温度が適正ではないという理由で起きる吐き戻しは、消化中の温度だけが重要なわけではありません。
飼育環境を整えることは、吐き戻しだけでなく、様々な面で健康管理に必要なことです。
②餌をしっかり解凍する
解凍後の餌を手で触って確認してから与えるようにしてください。
人肌ほどの温度になっていなかったり、中が冷たいように感じたら、もう一度温めなおすようにしましょう。
③個体に適した餌の大きさ、量を与える
個体の大きさにより適した餌のサイズ、量が異なります。
自分のコーンスネークにあったサイズと量をしっかり把握しておきましょう。
また、給餌間隔も餌を与える上で重要なことです。
④極力ストレスを与えない
ベビーや神経質な個体にはシェルターを与えるなど対策をしましょう。
ケージを設置する場所が原因でストレスを感じることもありますので、慣れないうちは常に人がいるような部屋での飼育はやめておいた方がいいかもしれません。
他のペットの存在がストレスになるような個体もいますので、そういった場合はその個体だけの空間を作ってあげるなどの工夫が必要です。
ハンドリングのタイミングや、ハンドリングのしすぎにも注意しましょう。
このように対策法はいくつかありますが、やはり生き物ですので何が起こるかはわかりません。
実際吐き戻しが起きてしまったらどう対処すればいいのかを次項からご紹介します。
コーンスネークの吐き戻し後の対処法
上記でも書いたように、餌を口に入れてすぐに吐き戻すケースというのはあまり多くありません。
餌を与えて数時間経ってから吐き戻すことが多いので、吐き戻す瞬間を目にすることはあまりないと思います。
コーンスネークは餌を消化しきるのに2~3日ほどかかります。
2~3日経ってフンをすれば消化しきった証拠ですので、吐き戻しの心配はなくなります。
ですがこれはフンをするまで安心できないというわけではなく、目で確認できる消化完了の合図がフンという意味です。
実際吐き戻しの可能性があるのはせいぜい24時間以内といったところだと思います。
餌を口に入れてから24時間経てば、ほぼ吐き戻しの可能性はないと思っていいでしょう。
吐き戻し後、すぐに餌を与え直すということはしないでください。
吐き戻してしまったということは、何かしらの原因で正常に消化できなかったということなので、少し様子を見るために期間を空けてから再度給餌を行いましょう。
吐き戻し後の給餌の目安としては一週間ほどで問題ないと思います。
一週間ほど期間を空けての給餌にも関わらず、再度吐き戻し、餌を食べないということになりますと病気の可能性もありますので、一度動物病院へのご相談をおすすめします。
残念なことに、大丈夫だろうと自身で判断し、手遅れになってしまったケースを私は知っています。
吐き戻しだけでなく体調不良が続いたら、迷わず動物病院で受診しましょう!
コーンスネークが吐き戻し!?気になるその原因と対処法は?【まとめ】
コーンスネークにとって吐き戻しというものが、どれだけ危険なことかご理解いただけたでしょうか?
吐き戻しが必ずしもコーンスネークの死に直結するわけではありませんが、少なくとも体に異変が起きていることは確かです。
コーンスネークは話しをすることも、何かしらの方法で体調の異変を私たちに訴えることもできません。
飼い主側がコーンスネークをよく観察し、健康維持に努めるほかありません。
飼い主にはペットの命を守る義務があります!
自身の判断でペットの命を危険にさらすようなことがないようお願いします!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
この記事が、皆様のお役に立てれば幸いです!